これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

私が、しなければならなかったこと

夜、寝床に就き、目をつぶって寝入るまでの時間、
いつも妻のことを考える。


面白い妻、困ったことをする妻、哀しい妻、凜とした妻、
いろんな妻が登場する。


更に、「こうしていれば」という後悔も必ず入ってくる。


“後悔”は、過去を見ることで生じる。
過去は修正できない。
なので、未来には繋がらない。


“反省”は、過去を修正するチャンスが与えられ、
未来に繋ぐことが出来る。


ここが、大きな違いだ。


例えば、失恋したとする。
その場合、失恋したことは過去のことだが、
反省の機会が与えられ、未来、すなわち次の恋愛では、
反省の効果が出て、うまく行ったりする。


死別の場合は、
“反省”の機会が与えられず、“後悔”だけが残ることになる。
過去を未来に生かすことが出来ない。
すなわち、やり直しが効かないということだ。


妻の“がん”が、ステージ4になる前に、
私が出来たことがあったのではないか。


妻は、膵臓がんで入院していた自分の父親の見舞いに行った際、
喧嘩になり、父親を叩いて、駆け足で病院を後にしたことを
帰ってきて、私に話した。
喧嘩の原因を妻は話さず、私も聞かなかった。


そして、義父の葬儀に、妻は呼ばれなかった。
義父が義母に、妻を葬儀に呼ばないよう言い残したことが考えられる。


妻は、がん告知の5年前から、健康診断を受けなくなっており、
義父が亡くなったことが影響していると、
担当医師から聞いた。


葬儀に呼ばれなかったことが、
妻にとって、大きな苦悩となっていたのだろう。


それが原因で、自身の免疫力を弱め、
がんの進行を早めたのではないか。


妻が、義父と喧嘩して帰ってきた時、
そして、葬儀に呼ばれなかったことを知った後も、
私は、妻の心のケアらしきことを何もしなかった。


私に出来ることは、あったのに、
妻を助けるチャンスはあったのに、
みすみす逃してしまったことになる。


気付きが足りなかった
不安を聴いてあげるべきだった
褒めることを、してあげるべきだった
リスペクトする態度を、ハッキリ見せるべきだった。


後悔はいっぱいある。


後悔を持たない人はいないと思うが、
死別における“後悔”は、
修正が効かないため、
そのままの形で、長く“こころ”に残ることになる。

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