死別経験者が今の心情を、
「身体の半分を失っている状態」と表現することがよくある。
私も、正にそのような心の状態であり、
毎日、何か足りないと感じながら生きている。
2分の1あった妻が、
私の身体から離れて行ったことが原因なのは明らかだ。
当たり前だが、
体重が半分になったということではない。
心の中が半分になったということだ。
心の容量を量れる測定器は存在しないので、
そうなっているのがわかっているのは、本人だけである。
結婚当初は、私の心の中は、私一人で埋められていた。
でも、妻と生活していくうちに、
私の心の中に妻が入ってきて、
私2分の1、妻の2分の1という構成で、
私の心が出来上がり完成した。
これを、夫婦一体というのだろう。
私一人であった時より、強化された心になった。
しかし、
強化された心は、24年半で終了した。
今、私の心の中には、ポッカリと半分、空間が出来てしまった。
心が満たされないのは、これが理由だろう。
この空いた空間を埋めないことには、しんどい生活が続くことになる。
そうならないため、空間を埋めたい。
やはり、ここに入るべきなのは、妻しかいない。
しかし、
妻は、もういない人である。
でも、
姿がなく、返事がなくても、こちらから話しかけることは可能だ。
それを毎日続けることで、妻が空間に吸い寄せられ、
半減していた自己が、復活するような予感がする。
心の中に、妻の存在を感じることが大事だ。
そうなることで、
私の心は、
不安定から安定へと回復することになる。