2017年
９月1日
昨日から涼しくなり、妻は、少し元気になってるように見える。。

９月2日
私は100円ローソンへ行き、妻から頼まれたクリームチャウダーを買った。
私は毎日、妻が欲しいものを紙に書いてもらい、買い物に行っている。
ほとんどが100円ローソンだ。

私がスーパーで買ってきたベビーチーズ（スモーク）を
妻は「おいしい」と言って食べた。
そして、寿司は、ネタのみ6種類食べた。　
残ったシャリは私が食べた。

妻に年金事務所から支払いの督促電話がかかってきた。
現状を伝えたとのことだった。

９月3日、
妻から頼まれたシチュー４箱を100円ローソンで買った。

眞子様小室さんの婚約内定記者会見をテレビでやっていた。
テレビでやっている皇室特集は必ず見る皇室オタク？の妻は
いつも場面ごとにコメントを発していた。

しかし、妻の今回のコメントは、
いつものような好意的なものではなかった。
妻は論理ではなく直感でものを見る。

9月4日
“やわらか食”の会社へ私は商品代金5500円を振り込んだ。

妻の母校である高校から、同窓会の案内ハガキが届いた。
この同窓会はすべての卒業生を対象にした大規模なもので、
定期的に、はがきが届いている。
妻は時々参加していた。
妻は、ハガキに、今回の欠席と、今後の案内をストップする旨を書いて、返信した。

私は、出会う前までの妻を知りたいという思いがある。

それを成し遂げる方法として、
この同窓会事務所に連絡して、
妻の同級生に会う方法はないか聞いてみようと思っている。
高校時代の妻について少しでも話しを聞き、
もう少し妻のことを知ることが出来ればと思っている。

9月5日
10時15分　主治医の往診があった（私は用事があり同席せず）

主治医の診察レポートより

血圧122/72 脈拍120　経皮的動脈血酸素飽和度 (SPO2)99％

症状
便秘と下痢を繰り返しています。

アドバイス
全身状態はお変わりありません。
水様便が続くときにはオプソを内服して下さい。
オプソを内服することで腸管の動きが落ち着いてきますので、
１包内服して様子を見て下さい。
それでもお腹の動きが活発なときには追加で内服しても構いません。

9月6日
妻　「トイレまでは行けるが立ち上がるのが大変になった」

私はアルバイトの帰りに業務スーパーへ立ち寄り、
妻の好きなゼリーやヨーグルトをたくさん買った。

9月7日
妻は、日によって、普通にしゃべる時と、ろれつが回らないしゃべりになる時がある。

11時30分　施設長とケアマネージャー Iさんが来訪。
介護サービス契約を交わす。

来訪者２人と、私とで妻を抱き起こし、汚れたシーツを取り換えた。
やり終えた時、
妻が私に握手してきた。
盛り上がる。　

私と二人だけの時以外で、この様に高揚した妻を見るのはめったにないことだ。
私は、そのシーンを見て、本当に嬉しかった。、

妻は施設長さんに
「体重が減ってきたらどれぐらいで亡くなるんですか。楽に死ねる人はいますか。」
という質問をした。
施設長さんがどう答えたかは、記憶がない。

午後、一旦帰ったケアマネージャー Iさんが、防水シーツを持って再び来訪した。
しかし、妻は「ザラザラして気持ち悪い」という理由で断り、使わないことになった。

私は、妻にかける「死の恐怖を取り除く言葉」をいつも考えている。
「死なない人はいない」　「体は無くなってもずっと隣にいることは出来る」 
など思いついたが、
もっと、心が解放する言葉はないだろうか。
なかなか出てこない。

私は妻と逆の立場になった場合を想像することで、
妻の心の状態を出来るだけ把握し、
“妻への最善の接し方”を見つけ出そうとしているのだが、
なかなか実感できない。
想像では限界があるようだ。

9月8日
朝、妻は部屋内を少し整理した。
私がバイトに行っている間に、妻は洗濯をやり終えていた。

9月9日
朝のカーテン開け、新聞渡し、ゴミ出し、買い物、など、何でもないことに対して、
妻は私に「ありがとう」を連発するようになった。
終末を意識し始めたのだろうか。

12時、手すり取り付け （トイレ・廊下）（1週間お試し） のため、
レンタル会社の人とケアマネージャー Iさんが来訪した。

9月10日
胸の骨がくっきり浮き出ていて、痛々しい

14時、妻は風呂に入ろうとしたが、
軟便という理由で入浴をあきらめ、日を改めることにした。

夕食にとんかつを買った。
妻は一切れだけ食べた。残りは私が食べた。
　　　　　

妻が亡くなるまで、あと　26日