これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

発達障害を持つ人の長所

先日、ドキュメンタリー番組を見た。
1時間番組だったのだが、見たのは途中からで、
残りの20分ほどだけだったのだが、
吸い込まれるように見入ることになった。


現在26歳で、愛媛県に住む動物画家に密着した番組で、
小学5年の時、40歳の母親を亡くしている。


彼は、自閉症による発達障害を抱えていて、


小さい時、
こだわりが強く、すぐパニックを起こし、泣き叫んだり、暴れる子供だった。


母親は、そんな息子が大人になって、一人で生きて行けるように、
療育(トレーニング)により、
人に大事にしてもらえる子、人に好かれる子に育て上げた。


息子が、唯一落ち着いた様子を見せるのが、地元の動物園にいる時だった。
動物を見ると、自然に笑顔がこぼれ、園内を夢中になって走り回る様子を見て、
母親は、何度も動物園に息子を連れて行った。


彼は、高校の美術の授業で版画に出会い、
19歳の時、国際コンクールで優秀賞を受賞した。
そして、母親の思い出を込めて、動物の絵を描き続けている。


この番組に見入った理由は、
妻の姿が頭に浮かんできたからだ。


妻は自閉症の一つのタイプであるアスペルガー症候群の傾向があった。
人間が苦手で、動物に興味を示すところが、似ていると思った。


番組の中で、父親が、こう話している。
「絵のことなんか全然別として、今の嘉成の落ち着いた様子を見て、
(妻は)喜んでいると思いますねえ。もし、見てくれているんだったら、
いや、見てくれてると思いますけど


番組の最後で、
父親と息子が、
動物園でヤギに接したあとの、面白いやり取りがあった。


息子;ヤギに向かって
   「バイバイ、また来てね」
父親;「嘉くん、また来てねって、家に来られたら困るやん」
息子;「また来るからね」と言い直した。


妻もそうだったのだが、
発達障害を持つ人の特徴として、
“ほのぼのとした雰囲気”を作り出すところがある。

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