これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

認知症

今年の8月頃から、マンションの両隣に老夫婦が引越してきている。
理由はわからないが、おじいさんとおばあさんの部屋を別に借りている。


見た感じ80代だ。
おばあさんは、認知症のようで、
時々徘徊して、警察官や見知らぬ人が、
おばあさんを部屋まで連れてくる場面が、何度かあった。


「おばあさん、部屋はどこですか」と聞かれて
「ここです」と私の部屋に入ろうとすることもあった。


連れて来た人が表札を見て、「そこは○○さんの部屋ですよ」と言って、
ドアを開けようとするのを、制止したりすることもあった。


昼間、デイサービスに行き、19時前に帰ってきている。


玄関まで、男性のヘルパーが送り迎えしており、
おばあさんとのやり取りの声が聞こえてくる。


しゃべり方が可愛い感じのおばあさんだ。


自分の部屋が分からなくなるようで、
他人の部屋の前に立ち、
「おとうさん、帰ったよ」と言うおばあさんに対し、
ヘルパーが「○○さん、そこ違いますよ。」と言って
本人の部屋に連れ戻す場面が何度かある。


当初、新聞の朝刊がドアポスに入っていないことが2度あった。


新聞店が入れ忘れたのかと思い、電話して再配達してもらったが、
おばあさんが、抜き取っているのではないかと思い、新聞店にこのことを話すと
ドアポスの内ふたを開けたままにしてくれれば、新聞を中まで押し込むようにすると
言ってくれた。
それから、抜き取られる事はなくなった。


40代後半くらいの娘さんが、年老いた両親を見るために、
田舎から呼び寄せたのだろう。
毎日、仕事を終えたあと、必ず両親の部屋に来て、
しばらく滞在後、自分の家に帰っているようだ。


仕事をしながら、認知症の両親の世話をして、偉いなあと思う。


おばあさんは、時々私の部屋のドアを開けて数秒間,中をのぞいて、
まちがいと気付くと、ドアを閉めるという行為が何度か続いている。


相手によっては、強く注意するのだが、
このおばあさんに対しては、なぜか腹が立たない。


3年前に亡くなった私の母も、後半は認知症になり、困ることもあった。
これは、仕方がないことで、本人が悪いのではない。


このおばあさんの、ドアを開ける行為に対して、私は注意することはない。
注意しても、その行為を止めることは出来ないことは知っている。


それより、本人の人間としての尊厳を侵すことはしたくない。
と思っている。


私も将来認知症になるかもしれない。
姉弟妹も近くに住んでいないし、何らかの対策を考えとかないといけない。


妻が生きていたら、認知症の私の世話をすることになったかもしれない。
絶対に避けたいことだ。


逆に、重度の認知症になった妻を、私が世話することになったら、どうなっただろう。


私を認識できない妻を見るのは、本当に辛いことだろう。

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