これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

意識を取り除いた生活

若いときは、ほしいものがいっぱいあった。
物であり、お金であり、健康でいたかったり、
社会的地位、自分の才能など、あらゆる方面で
欲しいものがあり、欲張りでもあった。


妻と結婚して、
それらを求める目的が、私のためではなく、
妻のためへと変った。


妻が喜ぶ姿を見た時、
今までと違う感じの気持ち良さがあるのを知った。


そのことが、
自分の幸せに繋がることを、体が把握した。


しかし、
妻の死去により、
ほしいものが、すべて、なくなった。


人生に占める割合が
極端に妻に偏っていたため、
オセロの白と黒が一気に変るように、
黒だけになってしまった。


それ以後、“こころ”が路頭に迷うようになった。


今では、
雨風を防ぐ住まい、飢餓しないだけのお金、
生活に不自由のない最低限の物と健康があれば十分と
思うようになっている。


人のエネルギーは、
家族から作り出されるんだということを、
身にしみて感じている。


妻を呼び戻すことは出来ない。


目的を持った生活は難しくなった。


今の私の生活を連想させるものとして、
なぜか、浮遊しているクラゲの姿が浮かんでくる。


クラゲは何が楽しみで生きているのだろう。
人を刺すことか?


クラゲには脳がないと言われている。


神経の反射によって動いていると考えられている。
ならば意識はないはず。


クラゲを見ることができる水族館があるようなので、
気が向いたら、一度行ってみよう。


浮遊しているクラゲをしばらく眺めることで、
何か新しい発見に出会うかもしれない。

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