妻に似た行動
74キロ台を維持していた体重が、
2日前に、急に2キロ増え76キロになった。
今日も76キロだった。
大食いした訳ではない。
この現象は1年ほど前にも経験しており、
父親の一周忌で田舎に帰った時、
「体重が一気に増えた。食べる量も、生活も変った訳ではないのに。
何が原因だろう。変だなあ。」と言ったところ、
妹は、
「○○子さんが、体の中に入って来たんじゃない。」
とサラッと言った。
そうだとしたら、妻の魂の重さは2キロということになる。
私は、妹に言われる前から、
“妻が入って来たのだ”という都合のいい結論に結び付けていた。
そのため、誘導をしないのに、
言って欲しいことを、妹が言ってくれたことは嬉しかった。
妹としては、深く考えず口に出しただけで、
まさか、死んだ人の魂が、人の体に入り込むとは、
本気で考えていないはずだ。
おそらく、私を慰めるための、妹の気遣いだったのだろう。
先日、“肉の日、黒毛和牛半額キャンペーン”
をやっている焼き肉店に行ってきた。
ところが、バラ肉よりも劣るほどの味だった。
この店は、いつも行っている店舗ではないところだ。
フランチャイズのため、店によって、
多少味が違ってくることがあるかもしれないが、
あまりに味が劣るのを感じた。
私はあまり食通ではないので、
出された肉が頼んだものと異なっていることを
瞬時に見分けられる人間ではない。
満足出来ない食事だった。
こころの中にモヤモヤしたものが残ったが、
確証がないので、クレームを付けるのはやめた。
しかし、食べ終わる頃に、
「これ、黒毛和牛じゃないかもしれませんね」
という言葉を女性の店員に投げかける自分がいた。
その時、思った。
これを発したのは、私の中に入っている妻ではないかと。
妻は、普段はおとなしく控えめだが、
こだわりに反することに出くわすと、
強烈な人間になる。
特に、嘘をつく人、不正を働く人からしたら、
かなり手ごわい人に変身する。
私は、妻のこのギャップが魅力的に映り、
面白いと思っていた。
自分が何か行動した後、
父親や母親が自分の中にいると感じる経験はよくある。
それは、血筋であり、遺伝子を引き継いでいるため、
あり得ることだと思う。
しかし、妻と私は血縁者ではない。
血は繋がっていない。
体の中に感じる妻は、
両親のように、遺伝子が及ぼす作用ではなく、
違うものが作用していることになる。
それは妻の魂か、
それとも、
脳が妻の記憶に影響を受けて、妻のような行動を起こすのか。
私は、前者である方が、嬉しい。