これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

故人に対し、やれることは何なのか

20年前の
2001年9月11日朝、米同時多発テロが起こった。


ニューヨークのワールドトレードセンタービル2棟に、
ハイジャックされた旅客機が突入した。
そのビルの中で働いていた日本人24人を含む多くの人が亡くなった。


1995年1月17日 阪神・淡路大震災
2001年9月11日 米同時多発テロ
2011年3月11日 東日本大震災


『1』という数字が多いのに気づく。
たまたまなのだろう。
数字の遊びはこのくらいにして、話を戻します。


ドキュメンタリー番組で、
ワールドトレードセンター跡地に、花を捧げに来た男性が、
「命のはかなさを思い知った。命はもろく簡単に奪われてしまう」
と言っていた。


ビルの中で働いていた息子を喪った2人の日本人父親が、
悲しみや苦悩、葛藤をかかえて生きる姿が番組で描かれていた。


1人は、
「普通の生活をしていて、いきなり殺される理由は何なのか。」
その理由に少しでも近づきたいと考えながら、
息子の死に対し、自分の背丈で出来ることは何だろうと考える父親。


もう1人は、
この事件が起こった原因を知るために、
アメリカ政府が出した「事件の正式報告書」を翻訳して、
書籍にして残そうとする父親。
そうすることが、
息子の死に報いることになると考えている。


亡くなって、いなくなった人に対し、
やれることは何なのか」と、
残された人は、考える。


私の妻は、飛行機の突入ではなく、“癌の侵入”で亡くなった。
原因は違っていても、
大切な人を亡くしたことは同じだ。


目の前から消えた妻のために、
私は、何をすべきか。


いない人のために、やれることは限られる。
でも、何らかの形で、妻を供養したい。


今、頭に浮かんでいることが、1つある。


妻についてまとめた本」を、
写真をいっぱい織り込んで作ることだ。


その作業をすることで得られることが2つある。


1つは、
作成している間、妻と関わっていられること。


もう1つは、


私が亡くなったあと、
遺品整理をする姉弟妹または甥姪が、
置かれているこの本に気付き、目を通すことになるだろう。


彼や彼女たちの頭の中に、
“妻の存在”が、インプットされるはずだ。 


いずれは、頭の中から消えていくと思うが、
少しでも長く記憶に残ってくれれば、嬉しい。

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