これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

小さな女性

妻が亡くなる前と後では、
生き方、人生観が、大きく変化している。
俗的な欲望が、見事にそぎ落とされた。


そして、もう一つ、変化したことがあり、
最近、それに気がついた。


道で女性とすれ違った時、
以前は、背の高いスラッとしたモデルのようなスタイルの人が目に入ると、
いい感じに思えていた。
そのような女性は、自立しているように見え、
カッコいいという印象だった。


しかし、
妻が亡くなって以降は、
そういう人とすれ違っても、特に何とも思わず、
すれ違った後、頭の中に残ることはなくなった。


変ったこととは。


それは、小さな女性を見た時だ。


かわいいと同時に、守ってあげたくなる気持ちを、
こちらに起こさせる。


その女性に対してというより、その女性の姿に対してそう思うのだ。


幼い子供も、体が小さいので、同じ感情が起きる。
小動物も、その小さな体を見ると、守りたくなる。


この“守ってあげたくなる感情”を抱きやすくなったのは、
妻を喪って以降だ。


妻を守り切れなかったという後悔が作用しているのだろうか。


“守りたいという感情”を出す機会を失い、
小さいものに対して、その感情を発散させることで、
気持ちの調整を行なっているのだろうか。


守りたい人が傍にいると、自然と背筋がピンと伸びる。
今はいないので、背筋が丸まっている。


人間、
守りたい人がいないといけないようだ。


ウクライナやミャンマーの人達は、
愛する母国を守るために、命をかけて戦っている。


動物の母親は、子を守るために、敵と命がけで戦う。


消えかけている伝統工芸を守る職人の目は澄んでいる。


守るものがあることで、
内なるエネルギーが湧き出ている姿がある。


守るものの存在が、人を強くする。


逆に、
守るものを喪った者の目はうつろだ。

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