これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

癌 告知から亡くなるまで 妻と過ごした137日 ㉑

2017年
9月11日
R-1ヨーグルトを買ってきて渡すと、妻は喜んだ。


横で寝ている妻は、、寝息が時々荒くなっている。


9月12日
ケアマネージャーのI さんより私に電話があり、
介護サービスとして、男性職員による部屋の掃除について、
確認してきた。
妻に伝えたところ、「部屋は今のままでいい」ということで、
断ることになった。


11:50~12:00 主治医の往診があった


血圧128/76 脈拍121/分  経皮的動脈血酸素飽和度 (SPO2)99%


妻 「動いていなくても呼吸が乱れます。4~5日意思に反して軟便があり、
  その後、出ない日が1日。オプソは使っていません。


主治医 「オプソはお通じを固くする効用があるのですが・・・。」


妻 「痛みはありません。
  食欲が全くなく、ゼリー1~2個。よく生きていると思います。
  足首から下がむくんでいます。
  転びやすくなっています。」


主治医 「水が溜まっていると思います。(主治医が妻の足首を動かす)
      足を上げて寝るのがいいと思います。」


妻 「お迎え近いですか?」


主治医 「数字はいいのですが、」


妻 「食欲が落ちているので・・・・。通常の流れかな・・・。」


(治医からのアドバイス)
呼吸の苦しさがあるようですが、酸素化や血圧などに大きな変化は見られません。
呼吸がやや高くなっている影響が考えられます。
下痢が続くときにはオプソを内服すると止める効果はあります。
足の浮腫みがありますので、横になるときには足を挙上して下さい。


9月13日
ヘルパーの初回訪問があった。(私は外出中)


9月15日
私は、買ってきたりんごジュースとR-1ヨーグルト10本を
を台の上に置いた。


妻 「立ち上がれなくなった。腕こんなに細くなって」


私 「トイレは行ける?」


妻 「トイレは何とか」


9月16日
私が買って来たブドウのゼリーに対し「美味しい」
と前向きな言葉が聞けた。


私が「洗濯するよ」と告げると、
「ありがとう」と返事してきた。


9月17日
私が外出中に、かかってきた携帯会社の営業電話に出ようとした時、
倒れたことを妻から聞かされた。


妻の心に何かしらの変化が生じている。


ラジオで、
今まで嫌っていた演歌を聴いていたり、


テレビで
チャンネルを相撲にしてほしいと言う。
相撲には全く興味なかったはずなのに。


私が「相撲に興味が出て来たの?誰が好きな力士がいるの?
と質問すると
妻は「そんなんじゃないけど」と答えた。
少し和んだ感じになった。


昼間、カーテンを閉め切ったままでいる。


うつ症状なのか。


9月18日
妻がシチューを一生懸命食べている。


その後ろ姿が、哀しくてたまらない。


シチューとかヨーグルトを食べている時の音が気になる
飲み込みにくいのか。


私がバイトに出かける直前、
妻は、トイレから戻るとき廊下に倒れた。
鼻を打ち、血が口のまわりに吹き出していた
私は、抱き起こし、その血を拭き取った。


その時、私は
「神様は、なぜこんなくだらない仕打ちをやらかすのだろう」
と、怒りが込み上げてきた。(神様なんていないかもしれないのに・・・・)


9月19日
主治医からの訪問時間連絡の電話が鳴った。
妻が立ち上がろうとしたが
私が電話を取り、時間を妻に伝えた。


田舎にいる私の姉より
「母の一周忌の日程を知らせるラインが来た。
「今回は、帰省しないことを伝えた。」
姉は納得した。


11:30~11:40 主治医の往診があった。
血圧 102/64 脈拍 122/分 経皮的動脈血酸素飽和度 (SPO2)98%


妻 「手に力が入らなくなりました。歩くとふらふらして倒れます。
   痛みは全くありません。
   下痢は時々起こります。今は大丈夫です。」
   
主治医 「体力が低下しているんでしょうね。」


妻 「活動範囲はベッドからトイレの間だけです。
   他は主人にやってもらっています。
   水を飲むと鼻から出るので、ふきんを口に当てて飲んでいます。」


主治医 「ゼリー等を試していただければいいと思います。」


妻 「薬は間に合っています。
   こんな状態で生きているのがつらいです。
   早くお迎えが来てほしい。
   どういう症状が出ると逝くのでしょうか?
   今は、息苦しい、だるくなる、正にその状態です。」


主治医 「出来るだけ薬で痛みを取るようにすることだと思います。
      神経が安まる薬もあります。」
      
妻 「他の人と比べて長く生きている方ですか?」


主治医 「よく頑張っていて体は強い方だと思います。」


妻は、「ふふっと」言って顔が緩んだ。
(言っている言葉と違って、妻はまだ生きたいのだと思う)


(残された時間は、
本人の意思を尊重しつつ、
死の恐怖を、少しでも軽減するように、
妻を包み込むようにして、接して生きたい。)


9月20日
朝、妻は水洗いのため、キッチンまでの距離を
足を引きずりながらもちゃんと歩いている。


私が、新聞を渡したり、ゴミ出し、買い物等を行なった後、


妻は、私に対して、
それまでは、「ありがとう」だったのに
最近は、「ありがとうございます」に変わっている。


妻は、”旅立つ準備”を始めたのだろうか。


     
妻が亡くなるまで、あと16日

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