これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

妻の誕生日 ケーキを買う

10月15日は、私の誕生日だった。
今年も、この地球上で迎えることとなった。


10月19日は、妻の61歳の誕生日だった。
妻は、この地球以外のところで、誕生日を迎えているはずだ。
たぶん。


いつものように、妻が好きだったケーキを買った。


いつもケーキを買っている店は、自転車で15分位のところにある。


今回は、趣を変えようと思い、別の店で買うことにした。
自転車で10分位だ。
ショートケーキとプリン、シュークリームを買った。


“いつも買っているケーキ店”に向かう時には、
闘病中、処方箋で薬を受け取っていた“調剤薬局”の横を
通過する。


“今回行ったケーキ屋”に向かう時には、
今後の治療について話をするために行った“がんセンター”の横を
通過する。


どちらも、
二人でその場所へ歩いた時の情景が頭に浮かんでくる。


懐かしさと、悲しさが混ざった情景だ。


「誕生日おめでとう」と声を掛け
ケーキやシュークリームを遺骨箱の前に、お供えした。


妻は甘いものが好きだったが、和菓子は一切食べなかった。
あまりこういう人は見かけない。


結婚当初、私は、そのことを知らなかったので、
仕事の帰りに、和菓子をお土産として買って帰ったことがある。


その時始めて、
妻が和菓子を一切食べないということを知った。


それ以降、
妻へのお土産は、洋菓子に絞って買うようになった。


食べ物の嗜好だけでなく、
妻の“行動の特徴”や“価値観”には、
日本人的ではないところが、多分にあった。


妻は、大阪で生まれ、小学5年から東京で生活しており、
海外生活の経験があるわけではない。


「もしかしたら、ずっと昔の先祖に、外国人がいたのでは」
と思ったりもする。


この10月、
私は1つ年を取り、外見も去年より少し老けたように見える。
妻は、3年前から、外見が変らない。

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