これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

雨の日

雨の日が続く。
どうしても外出が減ってしまう。


金曜日、
住民税関係の手続きで、区役所に行くつもりだったのだが、
ハッキリとした雨が降っており、
役所までは、自転車で5分ほどかかるため、
来週にしようと一度は考えた。


しかし、行くことにした。


そう決めた理由は、
妻の目線を感じる時間帯を作りたかったためだ。


私は、普段、一日に一度は外出している。


妻は、天から私を見ているので、
私が外に出ないと、妻は寂しがるだろう


と、勝手に自分に言い聞かせ、
外出するようにしている。


“ほぼ妄想”なのだろうが、
乾いた砂漠に水を注ぐ感じで、
僅かであっても潤いを感じようとする自分がいる。


役所で手続きを終えた後、役所内の食堂で「カレー」を食べ、
併設の図書館で、時間を過ごそうと計画していた。


ここのカレーは、300円くらいで、普通のカレーだ。
最初にこのカレーを食べた時は、
「お腹を満たせればいい」くらいのつもりだったのたが、
「あれ、美味いな」と思った。
いっしょに食べるお新香にすごく合った味なのだ。


それ以降、役所に来た時は、ここに寄ってカレーを食べることにしている。


手続きを終え、エレベ-ターを使い、食堂の階へ到着。
食堂の入り口にたどり着き、陳列ケースの中を見ると、
「本日の定食」一品だけしか置いていない。


横を見ると、
「コロナ禍のため、しばらくの間、一品のみの営業と致します」
と書かれた貼り紙があった。


舌は、このカレーを食べる準備をしていたため、肩すかしを食らった感じだ。
しょうがない。諦めるしかない。


ここのカレーは、ただの、「役所のカレー」であって、
決して、人に勧めるようなものでもない。


しかし、私の味覚に合っているので食べる。


ランキングの世界で上位の「新宿中村屋のカレー」に対し
ここのカレーは、“庶民の代表”という感じだ。
私は、どちらも好きだ。


私は、昼食はなるべく外で食べるようにしているが、
料理ジャンルごとに、行く店を決めている。


うなぎ、焼肉、カレー、オムライス、とんかつ、たこ焼き、うどん、
定食屋(さかな料理が主)、中華料理、ラーメン。


これらの店には共通点がある。


新宿中村屋のカレー(1760円)、うなぎ店(1200円)を除いて、
すべての店で1000円未満にもかかわらず、値段以上に味がいいことだ。


そして、
限定○○食(時間に制約がある)、次回の割引券がもらえる、
ポイント数に応じてサービスがある、株主優待券が使える、
29日(肉の日)に黒毛和牛半額、金曜日餃子半額、等。
それぞれ、うまく利用すれば、それなりに利点がある。


とんかつ店は、路地の奥にあり、
おじいさんが、もうけを度外視して、生きがいのため店をやっている。
600円だが、食べた後、口に広がる後味があり、
普通だと1000円は超える味だ。
(ただし、13時以降であることと、限定15食という制限がある)


役所のカレーは、以上の店と違って番外編に入る。


外出はしたものの、
雨の日のため、天と地の間に雲があり、
妻は、もしかしたら、
私を見ることが出来なかったかもしれない。

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