これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

今年の 妻宛の 年賀状 3枚

去年の妻宛の年賀状は5枚。(この時、妻は既に亡くなっている)
妻が亡くなった事を、私はその人達に連絡していない


そして今年、妻宛の年賀状が3枚来た。
友人3枚。 


その中で、去年まで毎年来ていた年賀状で、今年は来なかった
1通の年賀状に気がついた。


その差出人は、妻の高校の同級生で、卒業後も妻が数年間付き合っていた男性である。
二人はお互いに好き同士であったにもかかわらず別れた、という関係だ。


別れた理由は、「子供はいらない」 という妻に対して、
「子供のいない人生なんて考えられない」
という二人の考えの相違に拠るものだった。


私が妻と結婚式を挙げたのは38歳の時で、妻は33歳、お互い晩婚だった。
当時、その人はすでに結婚しており、年賀状には、
スキー場で奥さん、男の子の家族3人で写っているものもあった。
「一度会いたいですね」という文章もあった。


妻はその年賀状を隠さず私に見せた。
私は、「久しぶりだから会えばいいのに」と妻に対して自然な感じで言葉が出た。
記憶では、妻は会うことはしなかったと思う。


実は、その人は、私たちの結婚式に出席している。


式の最中、妻の同級生のテーブルの中に、一人だけ男性がいることに気がついた。
その時は深く考えずに、「恩師なのかなあ」くらいに考えていた。


式の後、妻に、「同級生のテーブルに男性が1人いたよね」と話すと
妻はそのままのことを私に話してくれた。


ふつう、こういう事があると、夫婦間に問題が起こるだろうが、
私と妻には不思議な関係があり


私は「ああ、妻にそういう思い出があったんだ」と感じたくらいで、
妻に対する考えは、特に変わるものではなかった。


なぜ、その人を結婚式に呼んだのだろうか。


「遅くなったけど結婚出来て、幸せになれました」という報告をして、
その人に安心してもらいたかったのかもしれない。


2017年、6月4日、妻は、その人にメールを送った。


余命1年の宣告を受けていることを知らせるものだった、


その日、すぐにその人から返信メールが来た。


妻はそのメールを私に見せてくれた。
内容は「○○子さんは、私にとって希望の星だ。余命宣告があっても
助からないとは言い切れない。何でも調べるから言ってほしい。」というものだった。


7月21日、その人から、再びメールが来た。


「体が弱ってきており、もう返信は出来ない。このメールを最後にします」
という内容の文章に写真を4枚添付して返信したことを、
妻は私に伝えた。


その人は、見た感じ、格好いいという感じではないが、
とても良い人間性を持っていそうな印象があった。


エンジニアであり、海外赴任経験もあり、その人と結婚した方が、
すべてが普通の私よりも、妻は幸せになったかもしれないと思うこともある。

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