これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

喪失感について

喪失感について考えることがある。


妻を喪った当初は、
「それを消し去るにはどうしたらいいか」を
常に考えていたような気がする。


一定の時期を経て、
それは取り除くことが出来ないものだということが分かった。


クリーニングに出しても取れないシミのようなものだ。
色々な薬品で試して見ても、取れないシミだということが分かった。


そう理解してからは、「シミのついた服」を着続けるしかないと思った。


最近は、その服を着続けることの覚悟が出来て来たように思える。


自分の中では覚悟が出来たのだが、
外に出て、人と会う時は、そのシミの部分を相手に見せないようにして
接しないといけない。


少し面倒だ。
しかし、全く人と関わらない生活は、脳の減退を早めてしまう。


すると、いい状態で妻と向き合うことが出来ない。


なので、最低限、人と接触することを心掛けている。


がんの治療方法の1つに、
放射線をがん細胞に放射することで死滅させる
放射線治療 がある。


この方法の欠点は、
同時に、正常な細胞も標的にされることだ。


しかし、技術の進歩により、がん細胞に放射線を集中させることで、
体へのダメージを少なくする治療法が、開発されてきている。


この話から、
「がん細胞」を、「喪失感」に置き換えて考えてみた。


「喪失感」だけを消滅させることが出来たら、
“妻とのいい思い出” だけが残ることになり、
心は穏やかになるだろう。


しかし、
「喪失感」は物ではないから、
「がん細胞」のように、標的にとすることが難しい。


やはり、一度体の中に染み入った「喪失感」を取り除くことは
出来ないということか。


先日、9月15日に受診した区の健康診断の結果が、郵送されてきた。
(いつもは、医者と面談して、結果を知らされるのだが、コロナ禍ということもあって、
郵送での通知となった。)


結果は、前年と大差はなかった。
やはり、問題は血糖値で。
空腹時血糖値 152 、HbA1c 6,4 % だった。


他は、正常値内に収っていた。


健康診断の結果は、以前と比べて、
私には、重要なものではなくなっている。

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