これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

佇まい

その人を好きになる理由として、
明るい性格、外見、気遣いがあるところ、など
具体的な言い方で説明する場合が多いが、


私は、
妻の好きなところは、「佇まい」だと答える。


「明るい性格の人」や、「気遣いの出来る人」と聞けば、
おおよその人のイメージをつかむことが出来るが、


「佇まい」と聞いても、
具体性がなく、抽象的・俯瞰的な表現であり、
相手としては、イメージしにくい言葉だと言える。


「明るい人」という表現は、
その人の一部分を表現することになるが、


「佇まい」という言葉は、
その人が醸し出す雰囲気であり、
トータルイメージといえるだろう。


一つ一つの部分得点は低くても、
採点する者にとってみれば、
高い得点を付けたくなる場合がある。


トータルで、どうなのかというのが、この「佇まい」だ。
妻は「トータル」の人だった。
  
私が、妻に最高得点を付ける理由は、
妻が持っている「佇まい」が、
私の求める「佇まい」に完全に合致していた
からに他ならない。


好きな「佇まい」は人それぞれで、
妻の持ってる「佇まい」を嫌う人もたくさんいるはずだ。


でも私はその「佇まい」に惹かれ、結婚して、
幸せな生活を送ることが出来た。


残念ながら、
その妻は、私の予想に反して、私より先に逝ってしまった。


がん告知から亡くなるまでの間に、妻が見せた「佇まい」は、
私が予想していた通りの立派なものだった。


妻の「佇まい」は、私の “頭” と “心の中” で生き続けている。


思い出す度に、フワッとした心地良さを私に提供してくれている。


妻が私に残してくれた「プレゼント」だと思っている。


そのプレゼントのお返しとして、
私は、毎日、
妻に感謝の気持ちを込めて、妻を想っている。


妻が「このお返し」を受け取ってくれていたら、
いいのになあ。

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