これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

記憶の維持

妻と二人で生きる環境から、一人で生きる環境に変った。
もとの環境に戻すことは出来ない。
以前の環境は過去のものとなった。


過去を今に引き寄せることは出来ない


今の環境に合わせる生き方以外は、選択出来ない。


しかし、
過去を思い出すことは可能だ。


妻と過ごした温かい思い出はたくさん頭の中に詰まっている。
妻と私が24年半かけて作り上げた作品だ。


どの作品を引き出して見るかは、私の自由だ。


日帰りバスの思い出、海外旅行の思い出、家の中でのやり取りの思い出、
妻の実家に行った時の思い出、等
引き出しはたくさんある。


頭の中という宇宙では、
そのスクリーンに見たい映像を映し出すことが出来る。


その映像を鑑賞していると、
じわじわと心が温かくなっていくのがわかる。


でも、途中でその映像は、
温かいだけのものではないことがわかってくる。


悲しみ、後悔、寂しさが含まれていることを知った。
異質のものが混ざり合った状態だ。


頭の中に映し出される妻の姿は、
この先、鮮明さを保てるのだろうか。
少しずつ劣化して行くのだろうか。


神様は、脳に、忘れるという機能を組み込んだ。
嫌なことがあっても、
時間が経つにつれ、嫌な経験の輪郭は次第にぼやけていく。


妻の顔、表情、声、姿の記憶も、
何もしなければ、
筋肉が衰えるのと同じで、劣化していく。


脳内の記憶は、
写真や動画を見て思い出すのとは、また違ったものだ。


だから、輪郭がぼやけないように、
毎日、妻を想って、記憶が私から去っていかないようにしたい。


そのようにして、
鮮明な妻の記憶を維持した状態で、
妻との再会に臨みたい。(無理かな?)

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