これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

トンボが部屋に入ってきた

13日の午前0時20分頃、
バタバタバタと虫が飛んでいるような音がし始めた。


共用廊下に照明があるので、
光を求めて、蛾でも飛んでいるのかと思い、
窓を開けて、その照明を見たが、虫の姿は見つからない。


その音の出所を見つけ出そうと思い、耳を澄ますと、
かなり近くで聞こえる。


上を見ると、部屋の照明の周りを、
5センチくらいの小さめのトンボが舞っていた。


そして、照明の引きひもに止まり、
それからずっと動かなかった。


1時40分頃、数秒間飛んで、再びひもに止まった。


でも、窓は全部閉めているのにどこから入ったのだろう。
昼間、喚起のためしばらく窓を開けていたので、
その時に入ったのだろうか。


ひもに止まってじっとしているトンボをしばらく見ていると、
このトンボが妻に思えてきた。


「変化」「変容」のシンボルと言われているトンボが、
家の中に入って来るのは、幸運が訪れる前兆だと、
ネットでのスピリチュアル的文章では、そう書かれていた。


「幸運が訪れる」と言われても、
妻に会わせてくれるというなら別だが、
それ以外で、今の私の生活の中で、
「幸運」に該当する対象はなくなっている。


この世で、妻に会えることはないと思うので、
妻に会える幸運があるとしたら、
近々、私があの世に行くということなのか。


トンボの状態の話に戻るが、


3時頃、再び飛び始め、
そして、
目を離しているうちに、いなくなった。


しかし
4時40分頃、再び音がして、照明の周りを飛び始め、
ひもの同じ位置に止まった。


そして、
5時過ぎにバタバタ音をたてて飛び始め、姿を消した。


妻が、私との時間を共有したくて現われたのか。
単に、トンボが迷い込んで来ただけなのか。


普通なら、後者だろうが、
でも、前者であってほしいという思いがある。


朝、起きてトンボはどうしただろうかと思い、
ひもを見ると、トンボの姿はなかった。


すると、窓の近くでバタバタという音がして、
トンボが飛び始め、また、ひもの同じ位置に止まった。


午後、トンボが外に出れるように窓を少し開けて出かけた。


夕方、帰宅して、部屋を見回すと、
壁に掛けてある小さな額縁の裏から、体半分が見える状態で見つけた。


まだいたのか と思った。


そして、その日の22時過ぎまで、
約1時間おきに飛んで ひもに戻るという行為を繰り返した後、
いなくなった。


部屋の隅々までよく見ても見当たらないので、
今度は本当にいなくなったはずだ。


トンボの行動観察記録のようになったが、


いろいろ、非科学的な世界に頭を巡らせ、
心地よい “創造の時間” を楽しむことが出来た。


1泊2日の、トンボの長い滞在だった。


トンボではなく、妻であったとしたら、
1泊2日だけの里帰り」だったのだろう。

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