これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

脳を大切に

妻は “点” として私を見ていた。
私に集中して、
他の男性に気を取られることはなかったように思える。


妻は、こだわりを強く持つ人であり、
私がそのこだわりに合っている人だったのだと思う。


対して、
私は、
相性が悪くない人が入る円を描き、
その中心に妻が位置するという考えをしていた。


回りにも目を向け、視野を拡げて、
妻と回りの人を比較したうえで、
妻が一番と思えるのがいいと考えていた。


もちろん、妻は一番で居続けた。


人間、不思議なもので、
自分が点として見られ続けているのを感じていると、
段々と、私も妻を点として見るようになっていた。
連鎖の現象か。


視野を拡げるのもいいが、
一点に集中している心の状態は、
心を安定させ、気持ちがいいことがわかった。


妻という “点” は、目の前から消えて行ったが、
私の心の中に移動して生き続ける。


私の脳内は、
妻の記憶が他の記憶を押しのけて満杯であり、
引き続き、私の心に大きな影響を与えている。


そう考えると、
“脳”というのは、人間の体重の約2%ではあるが、
大事な機能を有しており、大事にしなければならない。


パソコンのハードディスク内の記録が消えると困るのと同じで、
脳内の妻の記憶が消えると、私の人生の一番大切な部分を
消してしまうことになる。


妻の記憶が消えると、私の心も死んでしまう。
脳の機能を保つためには、
妻を亡くしてから、必要でなくなったと思っている "健康" に
気を使うことも大事だと思えてくる。


この世から妻はいなくなったが、
脳内の妻だけは、残しておきたい。

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