これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

ここにいるだけで価値があるんだよ

妻を亡くして、命・死・ガン・生きづらさ 
について考えることが多くなった。


去年5月妻に大腸ガンの告知があったが
妻はその5年前から健康診断を受診しなくなっていた。
区の検診で無料なので私は毎年受診していた。
2人とも10月生まれなので8月頃案内が届く。
妻が受診しなくなったのを知っていたので
受診案内をさりげなく渡していた。
何かを強く勧めると反対の行動を起こす傾向がある人なので
そのような渡し方をしていた。


妻はガン告知の2年程前、血尿があったので病院で
内視鏡検査を受けた。


あまりに痛かったので「やめてください」と
大声叫んで検査を中止させたとのこと。
「病院中に声が響きわたったのじゃないかな」と
面白おかしく話すものだから、
こちらも笑って病への注目から目を外してしまった。


今思えば、ちゃんと検査をもう一度受け直すべきだと
強く言わなかったことが悔やまれる。


妻は生きづらさを持って生きている人だった。


学校を出て最初だけ正社員で入社して1年程だけ働いたが
その後は契約社員、派遣社員で1年や数ヶ月ごとに
勤め先を変えざるおえなかった。


妻は何もしていないときは、ユーモアもあり、性格もかわいくて
とても癒やさていたのだが


・2つ以上のことを同時にこなさなければならない場面では
   パニック気味になる
・人が話す言葉の裏の部分の読み取りが苦手、
・“こだわり”や“自分ルール”が強い傾向がある


こういう特徴があり、人間関係で苦しみ、勤務先でも苦労していた。


自暴自棄な行動をとることも多かった。


本人は、自分は結婚出来ないだろうと思っていたとのことで、
両親も家を建てる時、自宅の2階を、妻が今後もずっと住む部屋として
用意していたほどである。


ガン告知の数年前頃から、働くための行動を起こさないので、
妻に働くよう何度か促し
喧嘩になることが増えていた。


こちらの言い分は、家事もしないのだから
月に数日だけの仕事であれば、
仕事を探すのは難しくないだろうとの主張だが、


妻の言い分は、一生懸命探しているが、
年齢からなかなか難しいということだった。


今考えると、こちらが考えている以上に妻は
働くことが辛かったのだと思う。


唯一の理解者だった私からも自分を否定されるようになり、
生きる意欲がなくなったのかもしれない


それで健康診断や再検査を受けなかったのかもしれない。
妻の生きづらさを十分理解していたはずだったのだが、少し油断してしまった。


時間の巻き戻しが出来るなら、その時期に戻って
「○○さんは、ここにいるだけで価値があるんだよ」
という言葉をかけてあげたい。

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