これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

妻と一緒に見たテレビ番組

毎週または隔週水曜日に放送されるテレビ東京の「家について行っていいですか」
を私はいつものようにセミダブルのベッドに横たわって見た。


この番組は妻がガンの告知前には見たことがなかった。
イメージとして、バラエティーで芸人が登場して
面白おかしく見せる番組だと思っていた。


なぜ見るようになったかと言うと、


ガン告知後はベッドで二人並んでテレビを見ていたが
「のらちゃんが見たいのを見て」というので、大体私の見たい番組を見ていた。
(「のら」というのは私を犬に見立ててつけた呼び名である。
妻は犬が大好きで私も犬の一種にされてしまっていた)


しかし、水曜日に「“家について行っていいですか”は見させて」というのである。


なぜこの番組を見たいと言うのか、わからなかった。


そして、二人でこの番組を見始めて、妻がなぜそう言ったのかが分かった。


この番組は終電を超えて町にいる人に「タクシー代を支払うから、家に着いて行っても
いいですか」と声をかけて承諾した人の家に行き、いろいろと話を聞くというものである。


登場する人はだいたい訳ありの人が多く、その中で最愛の配偶者を亡くし、以前の幸せな日々を思い出しながら亡き配偶者について思いを込めて語る人が、2回の放映のうち1回位のペースで登場する。


妻は、自分がいなくなっても、この番組を見ることで、
自分のことを忘れないほしいという思いがあったのかもしれない。

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