これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

唯一無二

ブログで、何度か「唯一無二」という言葉を使ってきた。


妻の姿が頭に浮かんだ時、
不思議とこの言葉が同時に頭の中に現われる。


妻が亡くなる前は、
この言葉が頭に浮かぶことは、ほとんどなかった。


妻がいることが当たり前だと思っていたため、
その言葉をわざわざ引き出す必要もなかったのであろう。


私は、この言葉の響きが好きだ。
妻を賞賛するのに、最も適切な言葉のように思えるからだ。


「同じものが二つとない」という意味が、脳内をクリアにしてくれる。


先日、パソコンのデスクトップにあったファイルで、
「06・8・11ソレイユの丘金沢八景」というのがあった。


8月11日なので、お盆休みに、行った旅行の動画だと思った。


妻の動画を見る時は、
それに耐えられる免疫があると判断した時に見るのだが、
その時は、あると判断して、ファイルをクリックした。


映像の冒頭、地元のフラダンスメンバーによる水上ステージが映っていた。


平井堅の『瞳を閉じて』の曲をバックに、いい感じのステージだった。


映像は、
ステージ、そして、それを見ている妻の横顔を交互に撮影していた。


妻の横顔が映っている映像を見たとき、まさに唯一無二を感じた。


『瞳を閉じて』の曲をバックにした妻の横顔は、
あたかもドラマのラストシーンを見てるかのような感覚に
私を陥らせた。
(あくまでも、私にとって)


唯一無二の人と出会えた幸運、
そして、
その人を喪った悲しさが同時に
脳裏をかすめた。


今年も残すは、あと一日となった。
“見えない”けれど、妻だけを見た1年だった。


毎日の生活は妻と共にあった。


来年も、妻だけを見る1年になるだろう。


「来年もよろしくお願いします」と
心の中で、妻に話しかけた。

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