これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

旅行の思い出が起こす胸の締め付け

1都3県は、22日、緊急事態宣言を解除した。


それに関連したニュースが流れている中で、
はとバスも、ツアーを一部再開するというニュースが流れていた。


黄色のバスがたくさん並んでいるのを見て、
懐かしい色だなあと思いながら、妻との旅行を思い出した。


はとバスの旅行は、年4回ペースで行っていた。


妻がパンフレットをもらってきて、私に見せる。


それを見て、私が候補を2つに絞り、そこに付箋をつけて、
「行きたい方を決めて」
と言って、付箋の付いたパンフを妻に差し出す。


妻は必ず、「のらちゃんの行きたい方でいいよ」
と言って
パンフをすぐに私に返してくる。


結局、私が選ぶことになり、ネットで予約をする。
毎回、この様なやり取りとなっていた。


妻は、旅行の内容そのものには、全く興味がないのだ。


妻が、はとバス旅行に行きたがる理由は、
私との密着した一日が過ごせるからだ。


昼食が、レストランでのバイキングの時、
妻は、


座席を確保すると、真っ先に食べ物が並んである場所に行き、
私の分だけをお皿にのせて、私の目の前に置く。


続いて、ビールを私の分だけ買ってくる。


一生懸命、私に尽くそうとするのだ。


妻は、
「料理をしない人」、というより、
「出来ない人」という方が、近いかもしれない。


そのため、
旅行の時だけは、
出来ない分を埋め合わせる日にしようと決めているような
行動だった。


そのような、妻なりの一生懸命な姿を思い出すと、
涙が出そうになる。


はとバスの思い出は、こんな感じなのだが、
「悲しさ」と「心地よさ」の力関係は、
釣り合っている感じだ。


胸が痛くなるのは、
「海外旅行」を思い出す時だ。


妻のがん告知日からさかのぼって、
1年3ヶ月前に「イタリア旅行 ツアー」、
3ヶ月前に「ナイアガラの滝&ニューヨーク  ツアー」
に行っている。


ニューヨークよりも、
ヨーロッパの雰囲気と景色が
妻をより引き立たせていた という記憶がある。


そのため、
テレビでイタリアの映像が目に入った時、
必ず、強い胸の締め付けに見舞われる。

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