これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

病院に行った

先週木曜日の夜、
左下腹に強い痛みを感じるようになった。


昼は、そういう兆候もなく、突然の発症だ。


あまりに痛いので、大きな病気が頭をよぎった。


最悪は「癌」。


手術とかになると、面倒だなあと思った。


痛さのため、
ちょっと弱気になり、
癌だったらどうしようかと不安になった。


癌が頭に浮かぶと、
連鎖的に妻の癌告知を知った当時の情景を思い出してしまう。


妻の病気は大腸癌だった。
病院になかなか行こうとしない人だったが、
血便と、強いお腹の痛みに耐えられず、たまらず病院に行った、


そして、大腸癌ステージ4の告知を受けた。


妻のことを思い出すと、
不思議なことに、
病気に対し弱気モードだった自分が、
一転、気持ちが強気モードに変換していることに気付く。


もし癌であるなら、「大腸癌」がいいなと思った。
妻の経験をなぞることが出来る。


手術、抗がん剤治療は行なわず、痛み止めの薬のみで
在宅医療を受けよう。


すべて、妻が選択したことと同じにしよう。
更に、
在宅医療医師は、妻を診てくれた医師に頼もう。


その医師が、妻を診察していた時に、考えていたことなどを、
聞くことも出来る。


そう考えていくと、
お腹は痛いが、
なぜか、“不思議な幸せ”を感じてしまう。


翌日、
前日よりは、少しましになったが、
生活に支障が出るくらいの痛みが続いた。


そして、土曜日、ネットで泌尿器科のある病院を調べ、
月曜日午前で、予約が取れた。


検尿、CT検査を行ない、担当医師から結果が告げられた。


検査結果は異常なし。


痛みの原因は、腸が炎症したところに細菌が入り込んだのではないか
という話だった。


癌という最悪の結果に対する覚悟が出来ていたので、
結果を聞いて、少し安堵した。


一方、
大腸癌でなかったことが、
少し残念だという気持ちもどこかに存在し、
妙な気分になった。


12日、月曜日に、残りの検査結果を聞くため、
もう一度、その病院に行くことになっている。


もうしばらく、
“見えない妻”との “触れ合い関係” が続くことになりそうだ。


この様な妻との関係も、
人生で一度くらい経験してもいいのかなと、思ったりもする。


そして、
いずれ、間違いなく、自分が「無」になる時が訪れる。


その時を想像してみると、
安堵感に包まれて死んでいく自分の姿が、
頭に浮かんでくる。

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