これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

不思議な少女

一昨日、雨上がりの公園に行った。


雨上がりということもあり、私以外に人はいなく、
公園でよく見かけるハトもいなかった。


ベンチに座っていると、2羽のハトが目の前に舞い降りて、
ウロウロし始めた。


エサを期待しているのだろうか。
「鳥にエサをやらないで下さい」と書かれた看板が目に入る。
どちらにしても、エサとなるものは持ち合わせていない。


私はタブレットで入力作業をしていた。


しばらくして、
女の子が公園に入って来るのが目に入った。
「少し離れたところに女の子がいるな」くらいの認識だった。


すると、その女の子は、こちらに近づいてきて、
私の左横2m位の位置に座った。
なぜ、こんなに近くにわざわざ座るのだろうと思った。


このベンチは、一本の木の周りを円で囲んだ形になっており、
他に誰も居ないのだから、コロナ禍でもあり、
反対側に座ってもいいはずなのにと思った。


更に、50cmほど右に寄って来て、私との間隔は、1.5mになった。
これが変なおじさんだったら、私は離れた位置に移動すると思うが
可愛い女の子なので、そのまま座っていた。


女の子は、見た感じ小学校3年生位に見えた。
(私には、子供がいないので、子供の年齢を当てる精度は
高くないと思っている)。


私は、子供に嫌われることもないが、
特別好かれることもないと思っている。


そこで、
この女の子が、わざわざ近くに座った理由を考えてみた。


親に叱られたり、学校で嫌なことがあったりして、
辛くなり、一人でここに来たのだろうか。
そして、一見優しそうに見える私に近づいて来たのだろうか。


あるいは、精神疾患を抱えた子供さんなのだろうか。


私は、左横を見た。
すると、その女の子も首を右に振って、私を見た。


はっきり顔を見たのだが、その表情から、特に落ち込んでいる
様子もなく、普通の感じだった。


そこで、私は思った。
もしかしたら、この女の子は“妻”ではないかと。


すると、温かい気持ちになってきた。


私は、何かに出くわすと、
都合のいいように、それを妻に結び付けるところがある。


普通の人だったら、今回の出来事も、
女の子がたまたま横に座っただけのこと
で終わらせるだろう。


しかし、
都合良く考えることには、メリットもある。


妻に結び付けることで、
その出来事は、喪失感を一時的にせよ
減らしてくれる役割を果してくれるのだ。


人に迷惑をかけない“思い込み”は、続けていいと思っている。


女の子はそのまま、前を向いて座り続け、
私もタブレットへの入力を続けた。


妻と二人で、公園のベンチに座っている感覚を味わった。


5分位して入力が終わり、
私は立ち上がり、公園をあとにした。


改めて、
いい時間を持てたと思った。

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