これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

寄り添いの光景

人が寄り添っている姿を見ると、
見ている側は、心が温かくなるし、
それを見て、非難する人はおそらくいないだろう。


子供が、母親、父親に寄り添っている姿、


老夫婦が手をつないで、ゆっくりゆっくりと前へ進んでいる姿、


お互いに信頼している感じがする男女が、ベンチに座っている光景、


人間に寄り添う動物。


寄り添っている光景は、
物理的な距離の近さだけでなく、
お互いの心の近さも感じられる。


お互いに、相手を「特別な存在」と思っている感がいい


妻は、私にぴったりくっつくことが好きだった。


バス旅行の二人席で、私の膝枕で寝る妻、


私が自分の部屋で寝転び、テレビを見ている時、
部屋に入ってきて、
「くっつき虫」と言って、
私の胸に飛び込んでくる妻、


夏の暑い日でも構わず飛び込んでくる。
私が撥ねのけても、ニコニコして再び飛び込んでくる。


暑苦しいという思いと、可愛いなと思う感情が
入り交じる時間だった。


闘病生活以前は、
どちらかというと、妻からの寄り添いが多かったが、
闘病中は、
私の方から妻に寄り添う時間を、神様が与えてくれた。


「寄り添われる感覚」も、心地良かったが、
「寄り添う感覚」も、心地良かった。
ただ、悲しさも混ざっていたが・・。


寄り添っている二人の間には、
必ず「信頼」という仲介者が存在する。


寄り添う対象がいなくなった今、
心の中は、ぽっかり穴が空いた感じになっている。
愛情欠乏症という病気にかかったみたいだ。
何とも空虚な感じだ。


満たされていない心の修復が必要だ。
穴を、埋めてくれるのは、妻以外にはいないのだが。
妻はもういない。


頭の中の妻に寄り添う?


肌感覚がないので難しいですね。


どうすればいいでしょう。


穴のあいた状態で生きていけば、いいだけのことだ。

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