絵本と大人
私の「点」と妻の「点」が交わった。
「面」と「面」との交わりの確率はそこそこあるだろが、
点と点が交わる確率が極めて低い。
にもかかわらず、私と妻は交わった。
幸運だった。運命かもしれない。
しかし、
妻の「点」は消えてしまった。
いや、消えた訳ではない。
上から白の修正液が塗られて見えなくなっただけだ。
液の下に「点」は存在しているはずだ。
今は、
どうすれば修正液を剥がすことが出来るか、考えている。
「ドキュメント72時間」という
東京神保町にある「絵本専門店」に訪れる客にインタビューする番組を見た。
親子連れがほとんどだと思っていたが、
以外と、大人一人で来ているのが多いのを知った。
確かに、
最近の絵本だけでなく、NHKの「みんなの歌」までも、
大人が読んだり、聴いたりして、共感できる内容のものが増えている印象だ。
命や人生をテーマにしたものが増えているように思う。
この絵本専門店には、面白い空間がある。
書店の奥にあった小さな倉庫を改装したバーがあり、
子供への読み聞かせならぬ、
カウンター越しでの、大人から大人への読み聞かせがある空間だ。
絵本は、子供の世界のものという印象があったが、
絵と短い文章には、哲学があり、教訓がある。
それを、読み取るには想像力が必要になる。
死別経験者が絵本を読むと、
以外と、癒されるかもしれない。