これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

年を取るということ

若い時は、年を取ることが嫌だったが、
60代後半になって、
年を取ることは悪くないと思い始めている。


何と言っても、身軽になっていく良さがある。


人間は、
何も身につけていない赤ちゃんから始まり、
いろいろな経験をして、いろいろな人と出会い、
その結果、一枚一枚経験という服を身につけていく。
服だけでなく、周りからの攻撃から身を守るため、
鎧さえも身につける。


服や鎧で体はパンパンになり、
動きに制限が入るようになったうえに、
“しがらみ”というロープで、ぐるぐる巻きにされ、
更に窮屈になってくる。


でも、60代後半になってくると、
しがらみというロープは解かれ、鎧を纏う必要もなくなり、
服も必要のないものから、順番に脱ぎ去って行き、
時間とともに身軽になり、楽になっていく。


自分に必要なものだけを残す行為が、許されるようになる。


最終的に、
“妻の思い出” だけが残っていればいい
という考えに辿り着く。


次第に、“赤ちゃん”に戻って行き、
本能で生きることが許されるようになる。


願わくば、
最後の最後に、
頭の中の “妻の思い出” が、
“本物の妻” となって 目の前に現われてくれれば、
言うことないのだが。

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