アンコール
テニスの休憩中、ベンチに座っている時、空を見た。
遠くに雲があるが、今日も雨が降ることはないだろう。
暑さで、体力の消耗が激しい。
空の青い部分を見ていると、
その先に妻がいる感覚になり、しばらく上を向いていた。
その間、心が安定していることがわかった。
妻と私はまだ繋がっていると感じた。
5分ほどの休憩が終わり、再びコートに戻った
今日のテニスは絶不調だったが、
たかがテニスであり、
私の人生にとって、大したことではない。
と思うようにしている。
私の中で重要なのは。「妻」だけである。
見えない妻を捜し続けている。
見えないのではなく、いないのかもしれない。
でも、たとえそうだったとしても、構わない。
その様な行為が、私の心の安定に繋がっているのだから。
妻の人生の舞台は、すべて終了したのだろうか。
もう、舞台に立つことは、二度とないのだろうか。
私は、アンコールを求めて、拍手をし続けているが、
幕は、まだ開かない。
舞台はすべて終わったか。
まだわからない。
私の人生が続く限りは、アンコールの拍手は続けるつもりだ。
奇跡が起り、
幕が再び開くことがあるかもしれない。