これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

表情

“表情”は、心を映す鏡であって、
言葉の裏側にある見えにくいものを知る手がかりを、
提供してくれる。


言葉で、「好きだよ」と言われても、
言葉の裏側にある感情が、その言葉と一致しているかどうかは、
心の中を覗いてみないとわからない。


心の中は、本人にしか見えないから、
心の中を映す何かを見つけて、判断しなければならない。


「表情」は、その役目を果たしてくれる。


他に、判断出来るものとして、
声のトーンや、仕草などがあるが、


相手が、すごく上手く演じることが出来る人だったら、
騙されてしまうだろう。


「詐欺師対策」のような文章になっていますが、
普通の人どうしでの話をしています。


表情も、操作することは可能だが、
観察力があれば、作られた表情であっても、
ある程度は心の中を読み取ることが出来る。


私は、会った人を見て、
顔の形状からよりも、その人の表情で
その人を好きになることが多い。


それぞれの人に、表情の特徴があり、
“表情”は、観察すると面白い。


妻の表情はどうだったか。


妻の表情にはインパクトがあった


おどけた表情、怒った表情、哀しい表情、
どの表情も、私は好きだった。


「おどけた表情」を嫌う人は少ないが、
「怒った表情」、「哀しい表情」を見ると、
普通は、ネガティブな感情になると思う。


しかし、
私は、妻の「怒った表情」、「哀しい表情」に関して、
ネガティブには繋がらず、
“スゴい”という感情が先に立った。


何がスゴい のかと言うと、


妻は、どちらの表情をする時も、
私を凝視して、一切目をそらさないことだった。
その視線は、とても強く、


あたかも、私の目の中に入って来るのではないかと
思うくらいのものだった。


「怒っている時の顔」は、
”を怒っているのではなく、
私がやった行為”を怒っているのは分っていたので、
私は、安心してその怒りを受け止めていた。


「哀しそうな表情」は、
私が妻に辛く当たった時、何度か見せたのだが、


その哀しそうな表情は、
「訴えかけるような表情」であり、「すがるような表情」であった。


その表情は、
今でも、はっきりとリアルな感じで思い出すことが出来、
思い出すと、胸が締め付けられる感覚になる。


妻が、ここまで強い表情が出せたのは、
私と真剣に向き合おうとする気持ちがあったからにほかならない
と思っている。

×

非ログインユーザーとして返信する