これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

テニスをする私 テニスをしない妻

金曜日、ナイターのテニス教室に参加した。
今日が初日で、全部で10回行われる。


5年前に腰痛のためリタイヤして以来のテニスだ。


今回テニスを再開した目的は、5つある。
1. 5年のブランクの影響は?
2. 年齢から来る体力の衰えはどれ位あるか?
3. まだ少し残っている右肩痛はテニスに影響しないか?
4. 腰痛は完全に治っているか?
5. いま持っている喪失感の軽減効果になるのではないか?


1と2は多少感じる位だったが、3と4はかなり影響があることが分かった。
特にファーストサーブは、腰、肩の両方の影響を受け、高い打点で打とうとすると
体のしなりが必要になり、腰がかなり危ない感じがあり、
低い打点で押すような打ち方しか出来ない。


プレーの中で最も得意だったファーストサーブが、完全に封印されてしまう。
それでも基本が初心者から中級者のための教室のため
何とか2時間やりきることが出来た。


5の喪失感の軽減効果については、やり終えて2時間くらいは軽減された感じがあったが
その後、元の状態に戻ってしまった。
一時的な効果のみだということが分かった。


私は学生時代に軟式テニス、社会人の最初の2年間は会社の野球部(趣味レベル)、
その後は、毎週週末に硬式テニスをやっていた。


妻はスポーツをする人には好意的だった。
ただ、ゴルフをする人は好きではなかった。
休日まで同じ会社の人と付き合っているイメージが好きではなかったのだと思う。


結婚当初、私が休日に参加していた仲間とのテニスに2回ほど妻は付いてきた。


4時間位コートを借りてプレーをするのだが、妻はベンチに座って見学に徹していた。
他のメンバーが「奥さんもやりませんか」と声をかけても、誘いには乗らなかった。
更に、途中からはテニスの終了まで、私の車の中で寝て待つというパターンだった。


私は仲間とのテニス以外にも、テニススクールに休日通っていた。


一度妻はそれに付いてきて、コートから少し離れた所に座り、
テニスが終わるのを待っていた。


テニス終了後、二人それぞれトイレに入ろうとした時、
妻は私が入ろうとした男子トイレに無意識のうちに付いてきた。


中にいた他の利用者が驚いたのを見て妻は間違ったと気付き、
慌てて女子トイレに移った。
その動作がおかしかったのか、中にいた男性2人は面白そうに笑っていた。


妻の天然性が発揮された。


私がどんな会社で仕事をしているのか知りたいため、
ある日妻は昼間、会社の所まで来て、外から会社を見た後、家に帰った。
帰宅した私に「のらちゃんの会社昼間見てきたよ」と私に話した。


私はある会社を辞めた後の転職活動期間中、一人でニュージーランド旅行をした。
旅行を終え成田空港に到着した私を迎えるため妻はわざわざ空港までやってきた。
そして1時間半程の帰りの電車内での時間を共に過ごした。


こういう妻の行動は、
自分はやらないけれど私の行動に少しでも繋がっていたいという気持ちが
そうさせているのだと私は感じていた。


妻は私の趣味と共通なものが無かったが、
それでも私と一体になりたいという欲求があったように思われる。

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