これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

明日は 結婚記念日

結婚記念日と言っても、私達は、特に何をするでもなく、普段と変わらない日を送る夫婦だった。


妻はイベントには関心を持たない人で、私の誕生日、バレンタインの日に
私へのプレゼントは、24年半の結婚生活の中で一度もなかった。


私の方は、妻の誕生日、クリスマスの時は、必ず妻にケーキを買っていた。


妻は特別な日を作るよりも、
365日均等に愛情を持っていたいという感じの人だった。
このような考えは、私も同じだった。


この年は皇太子さまと雅子さまが、6月9日に結婚されている。
妻は皇室関係に強い興味を持っており、知識も豊富だった。


妻が見ている皇室関係のテレビをいっしょに見ているとき、
妻は専門家に近い説明をよく私にしていた。


私は皇室について、興味がある方ではなかったが、
その専門家に近い妻の説明を聞いて、本当に感心させられていた。


妻は婚約後、「結婚式は挙げなくていいよ」と言っていた。
私はそれを真に受けて結婚式を挙げないことも考えていた。


しかし、双方の両親は挙げてほしいと思っているはずだからと思い
私は式を行うことを決めた。


それで休日に妻と二人で、候補にしている東京と横浜の結婚式場を数件廻った。
そして、東京に比べてリーズナブルな山下公園近くの横浜のホテルにすることにした。


その後、打ち合わせでそのホテルに何度か二人で足を運んだが
衣装決めの時、妻が真剣にドレスを選んでいる様子を見て、
本当は結婚式を挙げたかった妻の心が読み解けた。


妻は、本心を出さず一歩自分を引く傾向があるので、
表面に惑わされず、妻の心の中を見ながら接することの必要性を感じた。


結婚式と披露宴のみとして、二次会は行わなかった。


式が終わるとすぐ、妻は、「疲れた」と言って一泊するこのホテルの部屋に入って行った。


私は、式後、ホテルを出る前の出席者に対し、
私の関係者だけでなく、妻の友人に対してもしばらくの間、会話をして対応した。
この時から妻は体が弱く疲れ易い体質だった。


翌朝、
飛行機が怖いという妻の言葉から、海外を諦め私の車で廻ることとなった
山梨に向けて出発した。

×

非ログインユーザーとして返信する