今後、何にお金を使おうか
二人で生活している時、お金の管理は私がやっていた。
妻はお金を使い切ろうとして、必要の無いものを買おうとするところがあり、
妻が管理すると、お金が残らない可能性が高かった。
妻に毎月生活費を渡し、
あとは、二人の生活に関するお金と自分が使うお金で、
残りを貯金していた。
私達は物欲がない夫婦で、
高級な服や、高額な食べ物に、お金をあまり掛けなかった。
あとは倹約して残したお金で、
年1回海外旅行をすることに決めていた。
旅行に対して、私も妻も、観光よりも、
二人で行動を共にすることに喜びを感じていた。
しかし、それも、2回で終わってしまった。
ある旅行会社で使えるお得なクーポン券も購入しているのだが、
一人で旅行する気にもならないので、引き出しの中に眠っている。
妻が亡くなってからは、
妻に渡していた生活費の出費がなくなり、
倹約生活もルーティン化して苦にならなく、引き続き続けている。
そのため、お金に関しては、以前より楽になった。
しかし、貯めたお金の使い道がなくなった。
私は、お金を自分だけのために使うことで喜びを感じることは、ほとんどない。
“妻のためのお金の使い道“を探しているが、まだ見つからない。
癌で亡くなった 川島なお美 は
“犬猫の殺処分をゼロにする活動“をしていた。
夫は妻の意思を継ぎ「動物愛護基金」の設立を発表した。
この様な使い方もあるが、
私の妻は、特に目指している事はなかった。
いない人のためにお金を使うことは、
そう簡単に見つけ出せない。
取りあえず、
母の3回忌や、父の1周期で帰省したとき
6人いる甥や姪 (6人とも社会人) に
お年玉という名目で、お金を渡した。
その時感じたのは、
受け取った甥姪全員が、本当に嬉しそうな表情をして、
私にお礼を言い、喜びがこちらに伝わったこと。
お金というのは、意外な力を持っていると感じた。
私はそれまで、お金の力を軽んじていた。
配偶者への生前贈与は、婚姻期間が20年以上であれば、
2110万円まで非課税になることは知っていて、
65歳を超えてから、考えようと思っていた。
1番渡したかった相手がいなくなり、渡せなくなってしまった。
今後“妻に繋がるお金の使い方“を何とか見つけ出したい。