これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

心の進化

私は2人の妻を知っている。


1人は、生きていた時の妻、
もう1人は、姿のない今の妻だ。


どちらが好きかと聞かれたら、
どちらも好きだと答えるしかない。


生きていた時の妻の姿は、
目から入って、脳に映し出され、
その映像はまさに妻であり、
容易に妻を感じることが出来ていた。


それに対して、
私の頭の中と心の中だけに存在する妻は、
視覚は使われることはなく、
脳内にある記憶が、妻の姿を作り出している。


そのため、妻を感じるには、
想像力が必要で、大きなエネルギーを要す。


目から入ってくる映像に比べて、
どうしてもぼやけたものになってしまう。


でも、
頭の中だけの妻が、
すべてに劣っているとも言い切れない。


視覚情報がないため、
“心”が必死に働き、
ぼやけた映像を、少しでも鮮明にしようとする。


そういうことから、
一生懸命、妻を想うようになっている。


ハンディがあれば、
それを克服しようとするところが人間にはある。


姿が見えていた時は、無意識に妻を想っていたが、
今は、意識して心をフル回転させ、妻を想っている。


そう考えれば、
妻を想う心は進化しているとも言える。


目で妻を見ていた時期が懐かしいのは言うまでもないが。
過去に戻れる訳ではないので、
“心の力”を高めることで、
新しい妻との関係を探っていかなければならない。


この新しい関係を築き、維持した後、
“再会”へ、一縷の望みを託す。

×

非ログインユーザーとして返信する