これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

癌 告知 から亡くなるまで 妻と過ごした137日 ①

2017年5月20日、血便があり
妻は近くのクリニックを受診した。
ここ5年間健康診断を全く受診しようとしなかったが、
お腹があまりに痛いので
検査受診したようだ。


2ヶ月前にトイレが近くなっていたが、
大腸炎で、その時は、治るだろうと思っていたとのこと。


5月22日、私の部屋に来て、
明日検査結果が出ることを私に伝え
「今弱っているけど元気になったら泊まりに来るよ」
と言って自分の部屋に戻って行った。
あまり深刻な感じではなかった。


5月23日、私が出かけている間に、
妻は検査結果を聞くため、クリニックへ1人で行った。
結果は、直腸癌のステージ4 
肝臓、膵臓に転移しており
末期癌だと聞かされた。


診察画像を持って妻はその足で、
紹介された国立がんセンターの医師に会い説明を受けた。


余命1年で
手術をすれば2~3年延命出来るかもしれないが
助かることはないと伝えられた。


手術をするかどうかの選択を聞かれ、
手術も抗がん剤治療も行わず
痛み止め薬の服用のみで残りの時間を過ごすことを
妻は医師に伝えた。


帰宅し、妻から末期癌であることを聞かされ、
私はこれ以上ない衝撃を受けた。


私は、どうしても、それを受け入れることが出来なかった。

妻の夢

11月16日、妻の夢を見た。


いつも時間が経つと内容を忘れてしまうので
起きてすぐに内容をメモした。


妻と私は森の中を,
手をつないで歩いている。


妻がいなくなる。
私は慌てる。


一旦家に帰る。


なぜか義兄が隣に住んでいる。
ちゃんと見ていないとだめじゃないかと私を叱る。


家の前にレストランがあり、中に入ると妻が座っていた。
ほっとした。
店員もお客も外人ばかり。
妻はすんなり注文を終えるが、私は英語が話せず注文に苦労する。


妻は行き先で嫌な思いをしたと私に話した。


あの世で妻は苦労しているのだろうか。


この世で妻を1人にさせるのは心配だと思っていたが、
あの世で1人にさせるのも心配だ。
身近なところで守ってあげたいのだが
それが叶わないのが、もどかしい。


私は日々起こったことをメモしている。
妻を亡くした去年の10月6日以降に見た夢を、調べてみた。


今年の
2月22日
  大学にいる妻がいて、卒業のための単位が足りないといって
  苦労している妻の姿があった。


5月5日 
  妻が生きている。
  嬉しい。
  目が覚めた。
  「そうだよな。そんなはずないよな」


6月4日 
  2人が結婚式を挙げている。
  妻の父親の姿もある。


7月8日 
  私が寝ているベッドに妻が潜り込んで来て、いっしょに寝る。
  心地良い。
  目が覚める。
  急に喪失後が襲ってきた。


妻は登場していないが、
去年の 12月20日の夢


  婚活パーティーの中に自分がいる。


  すごくモテている自分がいて、複数の女性からつき合いの申し出を受ける。
  (当たり前ですが、これはあくまでも夢の中での出来事です)


  妻以外の女性と、生活をする気持ちは持っていないため、
  全部断っている自分がいた。


  ガンの告知があった数日後、妻が、
 「私が亡くなったあと、婚活パーティーに参加して、いい人を見つければいいよ」
  と言ったことがあり、それでこういう夢を見たのかもしれない。

妻との不思議な繋がり

妻と私には多くの偶然があった。


私は32歳の時、転勤で大阪から東京に移ってきた。
そして、駅の南口からメイン道路を南へ8分ほど歩いたところの
アパートに住み始めた。


その頃、妻は、同じ駅の南口を出てメイン道路を南へ10分程歩いた所の
マンションに家族で住んでいた。


ここに住んでいる間はお互いに知らないどうしであった。


駅までの行き帰り時、このメイン通りで何度かすれ違ったり、
通勤の時、満員電車の中で隣どうしになり、
体が触れ合っていたかもしれない。


その1年半後、私は転勤のため、横浜市にある社宅に住むようになった。
そこの駅は、妻が学生時代通っていた駅であった。


私が高校を出るまで住んでいた県と、妻の父親が生まれた県とが隣接していて
それぞれのお墓は県境に位置しており、すぐ近くである。
妻とは、出身地とは関係ない出会いだったので、これも偶然だ。


妻の学生時代に一番仲が良く、いっしょに行動していた同級生の
出身校が私の出身校だった。
これも確率的には稀である。


このような不思議な繋がりは、私にとって今後の数少ない希望となる。


この繋がりが今も継続していて、
何十年後であってもいい、
いつか再びそれを感じる出来事に出会うことを待ちつつ
毎日を過ごしていきたいと思う。