これからも妻といっしょに

がんで無くなった妻。その魂と引き続き共に歩みます

アナログ人間

1月5日、
だいぶ前に購入した格安スマホのバッテリーが、充電後、
1日しか持たなくなり、データ消失の危険を感じたため、
スマホを買い替えた。


電話、メール、ライン、写真のデータを、すべて新スマホに
移管してもらった。


前のスマホは、容量が1GBだったが、今度は3GBとなった。
電話、メール、ラインも、たまにしかしないため、これ位で十分だと思った。


私はアナログ人間で、特にスマホは苦手だ。
苦手というだけでなく、使っている人々の雰囲気が好きではない。


地下鉄の電車の座席に座っている時、
向かいの列に8人前後が座っていることが多いが、


ほぼ全員が頭を下げ、
無言でスマホを黙々と操作している光景をよく目にする。


それを見てると、“変な宗教集団”のように見えてしまう。
(普通の宗教集団のことを言っているのではなく、怪しい集団のことです)


スマホを使わないと、今の時代、生きづらくなるため、
嫌ってばかりもいられない。


なので、
私は、毎日最低限、キーボードやスマホ画面に触れている。


IT化は、
私の嫌いな雰囲気に人を仕上げる傾向がある。


また、情報格差が生じ、貧富の差を広げる可能性もある。


好きなものだけを食べて、栄養バランスが崩れるように、
SNSなどで、興味のある情報だけを見ることで、
考え方に偏りが生ずる可能性もある


必ず死が待っている人間という儚い生き物の美しさ
は、ロボットにはない。


ここまで、IT化のマイナス面だけを書いたが
いい点もある。


社会に目を移すと、
将来に向けて、
社会問題の解決に寄与することが期待される。


特に期待されるのが、医療や介護分野じゃないだろうか。
オンライン診療、AIによる画像診断、認知症診断、遠隔手術、
介護現場の人材不足の解消 等。


妻は、私以上にアナログ人間だった。
ノートパソコンの調子が悪くなると、何度も私に聞いてきた。
アナログ人間の私に聞いてきた。


妻には、私名義のガラケーを渡していた。


今、「しまった」と思うことがある。


妻の癌告知の日から、亡くなるまでの4ヶ月半、
その間、私は、アルバイトなどで出かけることも多かった。


私が出かけている間、妻は一人、家で過ごしていた。


口には出さなかったが、一人で死の恐怖と戦っていたはずだ。


スマホを買って、それを妻に渡してあげていたら、
ラインでの会話が出来たはずだ。


違う場所にいても、会話が出来たのだ。


ラインでの会話は、
普段口に出さない妻の考えを引き出せたかもしれないのだ。


結局、ITの良いところを、利用しないまま終わってしまった。


自分の鈍さに、怒りさえ覚える。


妻は究極のアナログ人間だった。
最近では、なかなか見つけにくいタイプの人だった。


妻がいなくなった後、
似たタイプの人に、まだ出会っていない。

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